英語の知識はあるのに、いざ口を開くと言葉が出てこない。外資系で海外メンバーに囲まれて働く筆者も、入社した時点では同じ壁にぶつかっていました。
TOEIC 900点超えで入社したものの、海外ブランチへの英語プレゼンで質疑応答がまったく出てこず、文字通り撃沈した経験があります。あの悔しさから一念発起して取り組んだのが、瞬間英作文でした。
純ジャパで海外在住経験ゼロの筆者が、今では英語ネイティブの同僚とガンガン議論できるようになった大きな理由の一つに、瞬間英作文トレーニングがあります。
この記事では、ビジネスパーソンのスピーキング力を底上げする書籍を10冊紹介します。
瞬間英作文トレーニングを正面からうたう本もあれば、例文集やフレーズ本として出版されていながら瞬間英作文として使える良書も含まれています。後者の本は、左に日本語・右に英語という定番の構成になっていないものもありますが、紙や手で片側を隠しながら取り組めば問題なく瞬間英作文として機能します。
ビジネス現場で英語を使う人を一番意識した選書ですが、これから英語学習を本気で始めたい初心者や中級者にもそのまま役立つラインナップです。
それではまいります!
- 日本生まれ日本育ち、海外在住経験ほぼゼロ。
- 国内学習で英語力をアップ。
- 現在の英語力は外資系企業でネイティブとガンガン議論できるレベル。
- これまで長期に渡り様々な手法で英語力アップにコミットし、ときには挫折し、ときにはうまくいった経験から、読者に有益で再現性のある情報を届けたい。
- BizSprinto開発チームの一員。
瞬間英作文トレーニングはビジネス英語習得の強い味方
瞬間英作文とは、日本語の文を見て場面を想像し、その場面に合わせて瞬時に英語を話すトレーニングです。森沢洋介氏が体系化したメソッドとして広く知られています。
英語を話せない人の多くは、知識がないのではなく、知識を瞬時に引き出せない状態にあります。中学レベルの文法は頭に入っている。単語もそこそこ知っている。それなのに会話の場面では、文を組み立てるのに時間がかかりすぎるんですよね。
瞬間英作文では頭の中に英語の回路を作ることができます。筋トレと同じで一回では変わりませんが、何百回と繰り返すうちに、日本語から英語への変換が自動化されていきます。
ビジネスの現場ではとくに、この自動化が効いてきます。会議で意見を求められたとき、クライアントから予想外の質問が飛んできたとき、考える時間は1〜2秒もありません。ここで詰まると議論に入れず、存在感を失ってしまいます。
逆に言えば、反射的に英文が口から出る状態を作れれば、ビジネスパーソンとしての武器になります。
筆者の場合、最初は中学1年レベルの文でも3〜5秒かかっていたのが、数週間の反復で1秒以内に出るようになりました。
そこから先は日本語を介さず英語が浮かぶ感覚が増えていき、実際の会議やプレゼンの質疑応答でも焦らなくなりました。
また、ビジネス英語は日常英会話よりもパターン化しやすく、瞬間英作文トレーニングが合っていると言えるでしょう。
今回紹介する10冊に共通する選書基準
書店に行くと、瞬間英作文を謳う本も、例文集も、文法書もたくさん並んでいて迷いますよね。今回の10冊は、以下の観点で選んでいます。
まず、例文の量が豊富で、瞬間英作文として繰り返し使えるだけのボリュームがあること。瞬間英作文は反復量がすべてなので、1冊で数百〜1,000文近い練習ができると理想的です。
次に、ビジネスパーソンが実務で使える英語が入っていること。日常会話だけの本ではなく、会議・メール・プレゼン・交渉といったシーンで即戦力になる表現が学べる本を重視しました。
3つ目は、瞬間英作文を正面から謳っていない本も含めたこと。ニュアンス図鑑やチャンク集など、一見するとアウトプット教材には見えない本も、例文が多く掲載されていて使い方を工夫すれば立派な瞬間英作文教材になります。正直、こうした本のほうが表現の幅を広げるのに役立つ場面もあります。
4つ目は、初心者・中級者にも取り組める難易度が揃っていること。ビジネスパーソンを中心に想定していますが、純粋に英語学習を始めたばかりの方でも、自分のレベルに合う一冊が見つかるよう配慮しています。
瞬間英作文を正面からうたう2冊
1冊目:『森沢洋介の話せる瞬間英作文[ビジネス:シャッフル]』(森沢洋介 著・TAC出版)

瞬間英作文メソッドの生みの親である森沢氏が、ビジネスシーンに特化して作った書籍です。文法項目ごとに並べられた同シリーズ第1弾(文法別)と違い、本書は文型・文法がシャッフルされた状態で出題されます。
実際のビジネス会話では何が飛んでくるかわからないので、このシャッフル形式こそ実戦に近い負荷がかかると思います。
筆者も文法別で楽にこなせていた文が、シャッフルになった瞬間に詰まる経験を何度もしました。それだけ実戦に近いということなんでしょう。
赤シート対応で片側を隠せる作りになっており、音声MP3もダウンロードできるので、通勤中や移動中の反復練習にも向いています。ビジネスパーソンが瞬間英作文を始めるなら、まずこの王道の1冊を検討してみましょう。
2冊目:『中学英語でネイティブに伝わる!毎日3秒英作文』(すなお 7時間目の英語 著・KADOKAWA)

YouTubeで人気のすなお 7時間目の英語チャンネルから生まれた書籍で、中学英語レベルの文を3秒以内に英訳するコンセプトです。ネイティブが実際に使う自然な表現にこだわっており、教科書的な不自然さがありません。
基本フレーズからビジネスで応用できる表現まで幅広くカバーされており、瞬間英作文初心者の入口としても、中級者の弱点補強としても使えます。
ビジネスパーソン視点で見ると、雑談や同僚との軽い会話で使う中学英語レベルの返しが意外とスッと出てこない場面があります。この本はそこを埋めてくれるイメージですね。
英文法をスピーキングに直結させる3冊
3冊目:『英会話のための基本英文法完全マスター』(米原幸大 著・IBCパブリッシング)

中学レベルの文法項目を理解・練習・習得の3ステップで口から出せる状態に持っていく構成です。
知識として知っている文法と、とっさに使える文法の差を埋めるのが目的で、瞬間英作文的な練習問題がふんだんに詰まっています。その意味では上記の「瞬間英作文を正面からうたう」カテゴリにも入っていても良い書籍かもしれません。
TOEICである程度スコアを取れるのに話せないタイプの人には、とくに刺さる一冊だと思います。
4冊目:『スピブン555 スピーキングのための英文法帳』(桑原雅弘 著・アルク)

厳選した英文法項目に対して、スピーキングで使える例文を555文収録している構成です。日常会話・海外旅行・日本文化紹介・ビジネスなどの領域をカバーしており、ビジネスパーソンにとっても使える書籍です。
スピーキング用の例文集として設計されているので、そのまま瞬間英作文の素材として使えます。音声ダウンロードも付いており、通勤時間に耳で復習する使い方も可能です。
かなりボリュームがあるので、これだけを何周もすれば随分と力がつくでしょう。
5冊目:『あてはめるだけで英語が止まらない!英語組み立て図鑑』(中山裕木子 著・SBクリエイティブ)

英文を基本パターンに分解して、パーツを入れ替えるだけで無限に文が作れるようにするアプローチの本です。
ゼロから英文を組み立てるのではなく、自分が言いたいことを既存のパターンに流し込む感覚で話せるようになります。
この本のアプローチは瞬間英作文と相性がとても良いです。
瞬間英作文はパターンプラクティスなどとも呼ばれることがありますが、要は型を身につけて場面に応じて単語やフレーズを入れ替えて使えるようにするトレーニングなのだと思います。
本書はアプローチが論理的であり、とにかく現場で話せるようになるという実利を追い求めている点が良いですね。
ビジネス現場の型を仕込む2冊
6冊目:『ビジネス英会話#100日チャレンジ』(成重寿 著・Gakken)

100日間で会議・交渉・プレゼン・ソーシャルトークまで幅広いビジネスシーンを学べる構成です。1日1テーマで淡々と続けられる設計になっており、習慣化のハードルが低いのが良いところですね。
文法解説などは薄くてとにかく文章が羅列されている形なので、手っ取り早く取り組んでみようというビジネスパーソン向けでしょう。文法は一旦置いておいて、とにかく現場で何か話せるようになるというアプローチだってありでしょう。
各ダイアログを音読したあと、日本語訳を見ながら英文を復元する使い方をすれば、そのまま瞬間英作文トレーニングになります。
100日を一周したら、苦手なパートや特に使えそうだなと感じたところだけ抜き出して2周目、3周目と回すのも良いと思います。
7冊目:『外資系1年目のための英語の教科書』(マヤ・バーダマン 著・KADOKAWA)

外資系で働くうえで避けて通れない挨拶・依頼・メール・電話・会議・プレゼンなどの定型表現を網羅した一冊です。
著者は外資系企業勤務経験のある方で、実務で通用する英語とビジネスマナーの両方が同時に学べます。自分が何となく使っている英語がビジネスマナー違反になっていないか、本書で一度チェックしてみると良いでしょう。
この本は瞬間英作文をうたっている本ではないので、日本文と英文が左右の対訳構造ではありませんが、英文を紙で隠しながら、日本語から英語を復元する形で使えば立派な瞬間英作文教材になります。
外資系に転職したばかりの人、これから目指す人、自分が何気なく使っている英語がマナーに合っているか不安な人が、瞬間英作文のトレーニングも兼ねて手に取ってみると良いと思います。
ニュアンス・表現の厚みを増やす3冊(瞬間英作文素材としてもGood)
8冊目:『読まずにわかる こあら式英語のニュアンス図鑑』(こあらの学校 著・KADOKAWA)

SNSで大人気のこあらの学校によるイラスト中心のニュアンス解説書です。
瞬間英作文の本ではありませんが、類義表現の使い分け例文が大量に掲載されており、ビジネスでの微妙なニュアンスを表現するための素材として非常に優秀です。
please、could you ~ ?、would you mind ~ ?といった依頼表現だけでもニュアンスが全然違うわけですが、本書はそれぞれの具体例文を豊富に提示してくれます。
例文を覚えたら紙で英語側を隠して日本語から再現する、という使い方で瞬間英作文化できます。
9冊目:『イラストでわかる!ネイティブの句動詞』(投野由紀夫 著・アスク出版)

コーパス言語学の第一人者である投野氏が、ネイティブが日常的に使う句動詞(get up、put off、bring about など)をイラスト付きで解説した本です。
句動詞こそ英語ネイティブと非ネイティブの表現力の差が一番出るポイントで、ここを強化すると一気に英語が自然になります。
筆者も最初は難しい単語をたくさん覚える方向でボキャブラリーを強化していましたが、ある時ネイティブが使っている句動詞の意味を理解できず、そのせいで相手の言っていることを取り違えることがあるなということに気づきました。動詞自体は中学生レベルでも意味を理解できていないフレーズ(句動詞)がたくさんあったわけです。
本書は例文が豊富に収録されているので、日本語訳から英文を復元する形で瞬間英作文すれば、句動詞が反射的に出てくる状態を作れます。
ビジネスの現場でもカジュアルな議論や雑談では句動詞が頻出するので、ネイティブの同僚と自然に話したいなら要チェックの一冊です。
10冊目:『ネイティブが日常会話でよく使う順 英語〈チャンク〉大全』(Blake Turnbull 著・ベレ出版)

ネイティブが会話で使うチャンク(意味のかたまり)を頻度順に1,000個収録した大型本です。チャンク単位で英語を覚えることが流暢さを一気に引き上げる、と著者は主張しており、筆者も実感として同意します。
左右対訳の瞬間英作文形式ではありませんが、例文が日本語訳付きで提示されているので、英文を隠す形で瞬間英作文として取り組めます。
1,000チャンクすべてをいきなり覚えるのはハードルが高いので、ビジネスで使えそうなものから優先的に回していくという使い方でも良いでしょう。
瞬間英作文を謳っていない本を瞬間英作文化する使い方
今回紹介した10冊には、瞬間英作文専用書ではないものも含まれています。でも正しい使い方をすれば、そうした本こそ表現の幅を広げてくれる強力な教材になります。
コツは大きく3つです。
1つ目は、紙や手で英語側を隠すこと。これだけで左右対訳型の瞬間英作文と同じ効果が出ます。しおりを1枚挟んでおくとだいたいそれで対応できます。
2つ目は、時間制限を自分で設定すること。瞬間英作文の命は反射速度です。1文あたり3秒、慣れてきたら1秒と決めて、詰まったら答えを見てスッと進む。これを繰り返すだけで脳の回路が書き換わっていきます。
3つ目は、声に出すこと。黙読と発話ではトレーニング効果が雲泥の差です。電車の中では口パクでもいいので、口の筋肉を必ず動かしてみてください。
また、一冊を何周もやり込むことが、複数冊を一周ずつこなすよりも圧倒的に効果的です。
答えを覚えてしまうのでは、と思うかもしれませんが、覚えた英文が体に染み込むことこそが瞬間英作文のゴールなので、それでいいのです。
ビジネスパーソン中心の選書だが初心者・中級者もそのまま使える
今回の10冊はビジネスパーソンを主要ターゲットにしていますが、これから英語学習を本気で始めたい初心者や、中級レベルで停滞している方にも問題なく機能します。
ビジネス英語は日常会話より難しいと思われがちですが、実際には定型表現が多く、むしろ日常会話の雑談より攻略しやすい側面があります。会議の意見表明、メールでの依頼、電話対応など、場面ごとのパターンを覚えれば対応できる範囲が一気に広がります。
初心者の方なら『毎日3秒英作文』や『英会話のための基本英文法完全マスター』あたりから入ると、中学英語の復習をしながら口頭アウトプットの基礎が作れます。そこから『森沢洋介の話せる瞬間英作文[ビジネス:シャッフル]』や『外資系1年目のための英語の教科書』などの他の書籍に進めば、ビジネス英語の土台ができてくると思います。
表現の幅を広げたい方は、『こあら式英語のニュアンス図鑑』『ネイティブの句動詞』『英語〈チャンク〉大全』あたりを攻めると一気に語彙・表現力が立体的になります。
筆者自身、中級で停滞していた時期に句動詞やチャンク系の学習を攻めたことで、徐々に英語が自然になっていったと感じた経験があります。
アプリの併用で瞬間英作文の効果はさらに上がる
書籍での瞬間英作文は効果的ですが、紙の本だけだと不便に感じる場面もあります。タイマーを自分で管理するのが面倒、音声プレイヤーを別で操作するのが煩雑、自分の発話を録音できない、などといった点ですね。
筆者は文法などのインプットは書籍、瞬間英作文での発話はアプリメインでやっています。
筆者が開発に携わっているBizSprinto 7秒瞬間英作文は、ビジネス英語に特化した瞬間英作文アプリです。日本語のお題が表示されてから7秒以内に英語で回答するゲーム性のある設計になっており、書籍では得にくい緊張感と集中力をもって練習できます。

各ビジネスシーンや文法別、句動詞別の例文が合計1,500以上収録されていて、音声録音機能で自分の発話への判定機能もあります。
カスタム例文登録機能を使えば、書籍で学んだフレーズを活かして自分なりに作成した文章をアプリ上で復習することもできるので、書籍とアプリを橋渡しする使い方も可能です。
月額500円で、ダウンロード自体は無料。全体的な機能を無料で体験できます。
瞬間英作文でビジネス英語のスピーキング力を本気で伸ばしたい方は、ぜひ一度試してみてください。
BizSprinto 7秒瞬間英作文をApp Storeで見る
他にもおすすめの瞬間英作文アプリを以下の記事にまとめていますので、ご参考にしてください。

