外資系企業に入社した当時、筆者はTOEICでは900点を超えていました。
英語が得意かと言われれば、少なくとも苦手ではないという感覚はありましたし、実際に読むことにはあまり困らずメールも時間をかければある程度は書けていました。
そのため、仕事で英語を使うことに対して当初はそこまで強い不安を持っていたわけではありません。
ただ実際に海外メンバーとの会議に入ってみると、その感覚はかなり甘かったと気づきます。
相手の話を理解するだけでも負荷が高い中で、その場で内容を整理し、自分の意見を英語で返すことが求められるわけです。
頭の中では言いたいことがあるのに、それをどう言えばよいのかがすぐに出てこず、結果として何も言えないまま会議が進んでしまうことが何度もありました。
今振り返るとそこで苦しかったのは、単に英語力が足りなかったからではなかったように思います。むしろ、仕事の現場で繰り返し使われる表現の「型」が、自分の中にまだ十分に入っていなかったことが大きかったのでしょう。
意見を述べるとき、相手に同意するとき、少し違う見方を示すとき、議論の論点を整理するとき、最後に要点をまとめるとき…。そうした場面ごとに使える表現があるかどうかで、会議への入りやすさはかなり変わります。
外資系の英語というと、どうしても「難しい単語をたくさん知っている人が強い」というイメージを持ちやすいかもしれません。
実際に会議の現場で繰り返し聞こえてくるのは、もっと基本的で、もっと再現性の高い表現です。もちろん業界によって専門用語はありますが、議論を前に進めるためのフレーズそのものは限られています。
筆者自身、これまで瞬間英作文、シャドーイング、ポッドキャスト、語彙学習、文法の見直しなど、英語力を上げるためにいろいろなことを試してきました。
その中で今振り返って特に意味があったと感じるのは、基礎となる語彙や文法を押さえながら、実際の仕事で使う表現を繰り返し口に出せる形で身につけていくことです。英語学習としては地味ですが、会議で言葉が出るようになるという意味では、かなり本質的だったと思います。
この記事では、外資系企業で12年働く中で、筆者自身が特によく使ってきた英語フレーズを100個に整理して紹介します。
単なる英会話の決まり文句ではなく、会議、プレゼン、議論、プロジェクトの進行といった場面で、実際に使うことが多かった表現を中心にまとめています。
TOEICの点数はあるのに会議になると言葉が出ない、あるいは英語を勉強しているのに仕事の場面でまだ距離を感じる、という方にとって、少しでも実践的なヒントになればうれしいです。
それではまいります!
- 日本生まれ日本育ち、海外在住経験ほぼゼロ。
- 国内学習で英語力をアップ。
- 現在の英語力は外資系企業でネイティブとガンガン議論できるレベル。
- これまで長期に渡り様々な手法で英語力アップにコミットし、ときには挫折し、ときにはうまくいった経験から、読者に有益で再現性のある情報を届けたい。
- BizSprinto開発チームの一員。
外資系の会議では、まず「何か言う」ことが求められる
日本語の会議では、慎重に考えてから話すことが必ずしもマイナスにはなりませんし、場面によっては沈黙がそのまま許容されることもあります。
ただ他の国との会議では空気がかなり違います。誰かが発言し、別の誰かがそれを受け、少し違う視点を足しながらどんどん議論が進んでいくため、黙っていると会話の外側に置かれやすくなります。
これはネイティブのように流暢に話せなければいけない、という意味ではありません。
むしろ大事なのは完璧な英語を目指すことよりも、今の時点で言える形で会話に参加することだと感じています。たとえ短くても自分の考えを出し、相手の発言に反応し、必要なときに確認を入れられるだけで、会議への関わり方は大きく変わります。
その意味で外資系で求められる英語は、英語力そのものというよりも、まずは会議の中でどう振る舞うかに近いのかもしれませんね。
特に筆者が所属するマーケティング部門の会議では、正解を一つに絞るというより、複数の見方を出しながら方向性を探っていく場面が多いです。自分の意見を持ちながら、それを柔らかく、しかしはっきり出す力が重要だと感じます。
外資系12年でよく使った英語フレーズ100
以下では、実際の会議での使いやすさを基準に、100個のフレーズを10カテゴリに分けて紹介します。
全部を一気に覚える必要はありませんが、まずは自分が使いやすそうなものを10個ほど選んで会議で繰り返し使ってみるのがおすすめです。
意見を言うフレーズ 10
英語の会議でも最も頻度が高いのは、やはり自分の意見を述べる場面です。
何かを提案するときも、懸念点を共有するときも、あるいは方向性に賛成かどうかを示すときも、結局は「私はこう思う」という形で話し始めることが多くなるわけです。
そのため、まず最初に身につけるべきなのは、洗練された言い回しよりも、意見を自然に出せる基本の型でしょう。
- I think we should ~
- I believe ~
- In my view, ~
- From my perspective, ~
- As I see it, ~
- One idea could be ~
- Maybe we could ~
- What if we ~ ?
- My take is that ~
- It seems to me that ~
たとえば、筆者が会議で最も多く使ってきた表現のひとつが I think we should ~ です。
直訳すると「私たちは〜すべきだと思います」ですが、実際にはかなり広く使えます。何かを強く主張するというより、「現時点の考えとしてはこう見ています」という形で方向性を示しやすいため、会議の中で非常に使いやすい表現です。
「should」というと「〜すべき」という直訳から少々上から目線のように聞こえるのでは?と思う方もいるかもしれませんが、上下関係なくみんな使っています。目上の人にもあくまで提案として使える表現だと感じています。
少し柔らかく提案したいときには Maybe we could ~ が便利ですし、視点の違いを前提に話したいときには From my perspective, ~ が自然です。
最初の頃は難しい英語を言おうとして逆に黙ってしまうことが多かったのですが、今思えば、まずはこういう基本形を何度も使えるようにしておくべきでした。
同意するフレーズ 10
会議の中では、自分の意見を言うことと同じくらい、相手の発言にどう反応するかも重要です。
誰かが発言したあとに何も返ってこないと会話が少し止まってしまい変な空気になります。そのため完全に賛成かどうかにかかわらず、まずは相手の視点を受け止める表現を持っておくと、かなり会話に入りやすくなります。
- I agree with you.
- I agree with that.
- That’s a good point.
- That makes sense.
- I see your point.
- Exactly.
- I’m on the same page.
- That’s true.
- I think that’s right.
- I couldn’t agree more.
その代表が That’s a good point. です。これは単なる褒め言葉ではなく、相手の発言を拾って議論を前に進めるための表現として機能している印象があります。
I see your point. はもう少し距離感があり、「言いたいことは分かります」というニュアンスで使えるため、このあとに少し違う意見を出したいときにも便利です。
やわらかく反対するフレーズ 10
会議では自分の意見を言うことが大事だとよく言われますが、それと同じくらい大事なのが、反対意見や懸念をどう伝えるかです。
特に議論が前に進んでいる場面では、ただ「それは違うと思います」と返すだけだと、空気が止まってしまったり、必要以上に強く聞こえてしまったりすることがあります。
実際の会議では何かに異論があるとしても、それをできるだけ建設的に、柔らかく切り出すことも重要です。
- I see your point, but ~
- I’m not sure if ~
- One concern is ~
- One thing to consider is ~
- I’m not convinced that ~
- I’m not sure that would work.
- Another perspective is ~
- I wonder if ~
- We may want to rethink ~
- I have a slightly different view.
このカテゴリで特に使いやすいのが One thing to consider is ~ と I’m not sure if ~ です。どちらも真正面から否定するのではなく自分の懸念や疑問として提示できるため、会議の流れを止めずに違和感を共有しやすくなります。
グローバルで決まった施策を日本でどう展開するかを議論する場面では、こうしたやわらかい反対の出し方がかなり役に立ちました。
その施策は日本ではちょっと合わないなー、と思ったら上記のような切り出しで意見を述べてみるわけです。
聞いている相手も上記のようなフレーズが最初に出てくると、「あ、この人は今から反対意見を言おうとしているのだな」とわかってくれるので、その後の会話がスムーズになります。
補足する・会話に入るフレーズ 10
英語会議で意外と難しいのが、「完全に新しい話を始めるほどではないけれど、少しだけ補足したい」という場面です。
ここで自然にカットインできるようになると、会議の中での存在感はかなり変わるでしょう。長く話す必要はなくても、タイミングよく一言加えられるだけで積極的に参加している感が出ますよ。
- Just to add to that, ~
- To build on that, ~
- I’d also add that ~
- One more thing is ~
- Also, we need to think about ~
- Along the same lines, ~
- That reminds me of ~
- In addition to that, ~
- On top of that, ~
- Another thing is ~
この中で最も使いやすいのは Just to add to that, ~ だと思います。今の話の流れを壊さずに、自分の視点を足せます。
英語がまだ十分にこなれていない段階でも、この表現を起点にすれば比較的入りやすいので、最初のうちに覚えておくと良いでしょう。タイミングを狙って勇気を出して大きな声で入るのがポイントです。
確認する・聞き返すフレーズ 10
会議で何より避けたいのは、分からないまま流れてしまうことです。
筆者がよく見てきたのは、英語会議の後に日本人同士で「さっきの○○の発言はどういう意味だった?」などと確認し合うことです。これでは会議の意味がありません。
会議では一度聞き逃した内容がそのまま次の論点につながっていくことも多いため、遠慮せず確認することが重要になります。
最初の頃は聞き返すのが気まずく感じることもありましたが、今では確認できること自体が仕事の一部だと思っています。
- Could you clarify that?
- Could you elaborate on that?
- What do you mean by ~ ?
- Just to make sure, ~
- If I understand correctly, ~
- Are you saying that ~ ?
- Can you walk us through that?
- Could you give an example?
- Can you say that again?
- Sorry, I missed that.
個人的によく使うのは Just to make sure, ~ と If I understand correctly, ~ です。
これらは単に「分かりません」と言うのではなく、自分なりの理解を示したうえで確認できるため、会議の流れを止めにくいのが利点です。
議論は言葉の定義が少しずれるだけで話がかみ合わなくなることも多いので、こうした確認の表現は想像以上に役に立つものです。
議論を整理するフレーズ 10
会議の前半では意見を出すことが中心になっていても、途中からは話が少しずつ広がり、何が論点なのかが曖昧になってくることがあります。
例えば会議では商品、顧客、チャネル、競合、予算といった複数の論点が一度に出て、全員がそれぞれ正しいことを言っていても議論の焦点がぼやけてしまうことが珍しくありません。
そういうときに価値が出るのが、英語で議論を整理する力でした。
- Let me clarify ~
- Let’s take a step back.
- What are we trying to solve here?
- The key issue is ~
- What matters most is ~
- There are two points here.
- I think we’re mixing two things.
- Let’s separate those two issues.
- If we frame it this way, ~
- Maybe the real question is ~
このカテゴリで特に便利なのは Let me clarify ~ と The key issue is ~です。どちらも、議論が少し散らかってきたときに流れを整えやすい表現です。
経験を重ねるほど、会議で評価されるのは流暢さそのものよりも、「今、何が論点か」を言語化できる力なのだと感じるようになりました。
要約するフレーズ 10
会議に慣れていない頃は、まず自分の意見を言うだけで精一杯でした。
一方で経験を重ねるにつれて、単に発言するだけでなく会議の最後に話をまとめたり、今どこまで合意できているのかを確認したりする場面が増えていきました。
これは役職や立場の問題だけではなく、会議を前に進めるうえで誰かが要点を言語化する必要があるからだと思います。
それができるようになると会議での存在感が一層増し、一目置かれるようになります。
- So what we’re saying is ~
- Let me summarize ~
- To sum up, ~
- The key takeaway is ~
- What we’ve agreed on is ~
- So far, we’ve decided that ~
- Just to recap, ~
- In short, ~
- The bottom line is ~
- It sounds like ~
たとえば So what we’re saying is ~ は、口語的でありながら自然に会議を締められる便利な表現ですし、The key takeaway is ~ は議論の途中で論点を一度固定したいときにも役立ちます。
個人的にはこのカテゴリの表現を使えるようになってから、会議の中で受け身ではなく、少し俯瞰して参加できる感覚が出てきました。
進行・段取りに関するフレーズ 10
会議では、アイデアを出すだけでなく、次に何をするのかを決めることも非常に重要です。
議論としては良かったのに、終わってみると何も決まっていなかった、という会議は意外と多いものです。そのためアクションや進め方に関する表現を持っていると、実務での信頼感がかなり上がります。
- Let’s move on to ~
- The next step is ~
- We need to decide ~
- Who will take ownership of this?
- Let’s align on ~
- Can we finalize this by ~ ?
- We should revisit this later.
- Let’s keep this in mind.
- We may need more data on this.
- Let’s follow up offline.
会議では議論の中身だけでなく、次の動きを言語化できるかどうかも重要です。
特に The next step is ~ や Who will take ownership of this? は、会議を具体的な行動につなげるうえでかなり使えます。
プレゼン・報告で使うフレーズ 10
会議だけでなく、プレゼンや報告の場面でよく使う表現もあります。
特に外資系では結論から入ることや、話の見通しを先に示すことがかなり好まれます。
日本語の感覚のままだと背景から順に話したくなることもありますが、英語では先に全体像を伝えたほうが相手にとって理解しやすい場面が多いと感じます。
- Let me start with ~
- What I’d like to share today is ~
- The purpose of this meeting is ~
- Here’s the main point.
- There are three things I’d like to cover.
- Let me walk you through ~
- As you can see here, ~
- What this means is ~
- The reason is ~
- Looking ahead, ~
このカテゴリの表現は英語の上手さというより、話の組み立て方そのものに関わってきます。
たとえば Here’s the main point. のような表現を自然に入れられるだけで、聞き手にとってかなり分かりやすくなりますし、自分自身も話しやすくなります。
プレゼンで緊張しやすい人ほどこうした型を持っておくと良いでしょう。
ネイティブがよく使う便利表現 10
会議などで英語を使い始めた頃は、どうしても「正しく話すこと」に意識が向きがちでした。
もちろん正確さは大事なのですが、実際にネイティブの会話を聞いていると、印象的だったのはむしろ細かなつなぎの表現をかなり自然に使っていることでした。
文法的に高度というより、会話を少しやわらかくしたり、断定を弱めたり、考えながら話している感じを出したりする表現です。
- Basically, ~
- Actually, ~
- Pretty much ~
- Kind of ~
- Sort of ~
- You know, ~
- At the end of the day, ~
- It depends.
- Fair enough.
- That said, ~
たとえば Basically, ~ は「要するに」として使いやすいですし、That said, ~ は「そうは言っても」と少し流れを切り替えたいときに便利です。
こうした表現は最初から無理に使う必要はありませんが、会議の中で何度も耳にするうちに、「こういうふうに英語を少しやわらかくしているのか」と分かってくると、会話への見え方が変わってきます。
ただ一方で、kind of ~ や Actually, ~ など多用すると軽い感じになったりジュニア感が出るので注意が必要です。また、これらは「英語を話したての日本人がネイティブぶって多用するフレーズ」などとも言われているので気をつけましょう。
まず最初に覚えるなら、この10個で十分
100個並ぶと多く見えますが、最初から全部を使いこなす必要はありません。
実際にはよく使うものはかなり偏りますし、自分の仕事や会議のスタイルによっても使いやすい表現は変わります。
もしこれから少しずつ仕事英語を強化したいのであれば、まずは次の10個を自分の中に入れておくと、かなり実用性が高いと思います。
- I think we should ~
- Maybe we could ~
- From my perspective, ~
- That’s a good point.
- I see your point.
- One thing to consider is ~
- Just to add to that, ~
- If I understand correctly, ~
- Let me clarify ~
- So what we’re saying is ~
この10個だけでも、意見を言う、相手を受ける、懸念を出す、補足する、確認する、整理する、要約するといった基本動作がかなりカバーできます。
会議で必要なのは、難しい英語をたくさん知っていることよりも、こうした基本動作を英語で回せることだと感じています。
外資系12年で感じたのは、「型」の重要性
ここまでいろいろなフレーズを見てきましたが、12年働いてきて強く感じるのは、外資系で必要なのは単に英語を知っていることではなく、会議の中でどう参加するかの型を持っていることだという点です。
意見を述べる、相手の話を受ける、懸念を共有する、論点を整理する、最後に要約する。こうした一連の動きがある程度パターンとして身についてくると、英語会議への心理的なハードルはかなり下がります。
語彙や文法の知識があってもその知識を会議の中で瞬時に使える形にしていなければ、思った以上に言葉は出ません。筆者自身、入社当初に苦しかったのもまさにそこでした。
TOEICの点数があることとその場で自分の考えを英語で返せることのあいだには、距離があったのだと思います。
ただその距離は埋められますし、しかも特別な才能が必要なわけではありません。大事なのは会議で本当によく使う表現を、自分が使えるレベルまで落とし込んでいくことです。
瞬間英作文やシャドーイングが意味があったと感じるのも、結局は「知っている英語」を「口から出せる英語」に変える練習になっていたからだと思いますし、語彙や文法が大事だと改めて感じたのも、それが土台として必要だったからです。
英語の会議では最初から完璧な発言をする必要はありません。まずは短くてもよいので自分の意見を一つ出すこと、相手の話に一つ反応すること、必要であれば一度論点を整理してみること。
その積み重ねの中で、少しずつ会議で使える英語が自分のものになっていくのだと思います。
もし英語を勉強しているのに会議になると急に言葉が出なくなる、と感じているなら、まずは難しい表現を増やすよりも今回紹介したような基本の型をいくつか繰り返し使ってみるのがおすすめです。
英語の「型」はBizSprinto 7秒瞬間英作文で

最後に筆者のチームが提供しているアプリを紹介させてください。
上記まで読んで英語の型を身につけることに興味を持った方、この瞬間英作文アプリはコスパが良いのでぜひ試していただけたらと思います。
瞬間英作文は日本語の文章を見てその場面を思い浮かべ、瞬時に英語で話すトレーニングで、英語の型を身につけるのにぴったりです。
「BizSprinto 7秒瞬間英作文」は、7秒以内に回答というゲーム性やユーザーの録音機能、解答への解説機能、自作の英作文登録機能など、瞬間英作文トレーニングに必要な機能を網羅的に揃え、月額500円と継続しやすい価格設定のアプリです。
これから英語の型を身につけようと考えているビジネスパーソンは、まずはこのアプリを試してみていただけたらと思います。
ダウンロードは無料で全体的にアプリの機能をお試しいただけます。
ダウンロード後に数日経って自動でサブスクリプション費用が発生するということはありません。
ぜひ一度ダウンロードしてみてください。
